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​('A`)+晩御飯  ※仮タイトル

12:名無しさん:2023/09/30(土) 05:39:09 ID:8Ntn.sUU0

最近、仕事を終えるのが早くなった。

会社の奴らも気が付いたらしくそう言われ、つい言ってしまいそうになったがやっかまれても仕方がないので黙っておいた。

 

無駄に残業してられない事情が出来た。それだけだ。

 

('A`)「……」

 

('∀`) 「ふっ」

 

ついつい顔がニヤけてしまう。吊り革に掴まりながら咳払いで誤魔化す。

楽しみがそのまま表情に出てしまうのだ。

 

13:名無しさん:2023/09/30(土) 05:39:32 ID:8Ntn.sUU0

 

('∀`) (家族ってのは、良いもんだな)

 

電車の中で楽しそうなファミリーを見ても歯を食いしばらなくなった。

必要がないから。満たされているから。

 

足取りが軽過ぎてもはやスキップのレベルだった。

 

('∀`) 「今夜の飯はなんだろう」

 

昼飯を食いながら、いや、家を出る時から考えていた。待ち遠しい、嬉しい、楽しい晩御飯。

いつのまにかマンションの前に着いていた。

エレベーターを待つこともせずに階段を駆け上る。

 

14:名無しさん:2023/09/30(土) 05:43:30 ID:8Ntn.sUU0

 

('A`)「!」

 

ふと良い匂いが鼻を擽った。家の3歩手前のことだった。

 

('A`)「この匂い……グラタンか!」

 

鼻をひたすら動かして何の匂いか考察する。辿り着いた答えに涎が出た。

グラタンなんて独り身はわざわざ作ることがない代物だ。久しく食していない。

熱せられたミルクは濃厚で優しい香りになる。とろとろのチーズに茶色の焼き跡が付けば最高のアクセントになるだろう。

熱々でジューシーなソースに絡まったプリプリのマカロニは最高に違いない。

 

('A`)「鮭の匂いもほのかにするな…鮭のグラタンかな、秋だねえ」

 

('A`)グコルポキュゥ~

 

('∀`) 「……ははっ」

 

15:名無しさん:2023/09/30(土) 05:44:00 ID:8Ntn.sUU0

 

ちょうど腹が元気に鳴り、思わず笑った。

幸せだ。

俺は幸せだ。

結婚してくれて良かった。

毎日美味しいものを作る人と出会い、付き合い、そして一緒になってくれて、感謝してもしきれない。

ありがとう、ありがとう。

全てに大感謝だ。

16:名無しさん:2023/09/30(土) 05:44:24 ID:8Ntn.sUU0

 

('∀`) 「たっだいまぁ!!」

 

ドアを勢い良く開けて靴を急いで脱いだ。

手を洗って、キッチンへ駆けていく。

 

('∀`) 「いやっほい!最高のタイミングだぜ!!」

 

炊き上がったばかりの米を炊飯器から茶碗へよそう。

 

 

そしてベランダへ走る。

 

17:名無しさん:2023/09/30(土) 05:46:11 ID:8Ntn.sUU0

 

('∀`) 「ああ~~~!!!良い匂いだ飯がうめぇ!!」

 

('∀`)「ハムッホムッ!!!!」

 

('∀`) 「ありがとうありがとうお隣さん!料理上手な嫁さんと結婚してくれたおかげで俺のQOLは爆上がりだぜ!!」

 

('∀`) 「おっ!?反対の家は栗ご飯か!??か~っ、良いねぇ季節を大事にするね!うめぇ、うめぇよ!!米が進むよ!!ほっくほくの栗が優しくて胡麻がアクセントになった秋の味!最高!」

 

(;∀`) 「ベランダで食う隣の匂い飯は最高だぜ!!!なんだ?目から水が…ちょうど良い調味料だぜ!あはは!あははは!あはははは……」

 

18:名無しさん:2023/09/30(土) 05:46:39 ID:8Ntn.sUU0

 

 

 

 

 

突撃!隣の晩御飯(臭)のようです

 

 

 

 

 

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