ブーン系
食と旅の秋祭り
【注意】猟奇的な描写を含む作品です。
2:◆yWgV2dR9qg:2023/10/09(月) 00:57:25 ID:dlGOzwp20
( ^ω^)「夏だお」
('A`)「うん、夏」
( ^ω^)「今日も列車は乗客でいっぱいだお」
('A`)「バカンス野郎どもにまったくキレちまいそうだぜ」
( ^ω^)「そこでだ、お」
('A`)「うん」
( ^ω^)「ブーンたちもバカンス、行くお」
('A`)「このクソあちーのに何言ってんだこのバカ……」
( ^ω^)ブーンは絶品チキンを辿るようです
3:名無しさん:2023/10/09(月) 00:57:45 ID:dlGOzwp20
( ^ω^)つ□「実はこんなものを手にしたんだお」
('A`)「ハガキ? どれどれ……」
□<この夏、海辺のリゾートに新装開店!プレオープンのお知らせです!
('A`)「ハガキが喋った」
( ^ω^)「おしらせハガキ君だお。読まなくていいお」
('A`)「だから白紙なんだ」
□<この度はお二人を海辺のリゾートにご招待したく……
('A`)「……待て、この声って」
( ^ω^)「お?」
□<楽しいレクリエーションと共に味わう絶品チキンの数々! 骨の髄までしゃぶりつくしたいあなたは是非今すぐ発車致しますW列車8号線の一等客室まで——
4:名無しさん:2023/10/09(月) 00:58:19 ID:dlGOzwp20
('A`)「おい」
( ^ω^)「はいお」
('A`)「……くぞ」
(;^ω^)「お?」
(*'A`)「今すぐ有給取って行くぞ! 8号線なら向かいだからとっとと後ろ座っちまえ!」
( ゜ω゜)「職権乱用すぎるお!?」
( ^ω^)「……なーんちゃって、実はちょうどさっき二人分のキャンセルが出たのを見つけちゃったお」
('A`)「流石だよな俺ら……」
(*^ω^)「『時空裂き』とバッテリーと……ええい! 邪魔んなったらそん時はそん時だお!」
(*'A`)「そうだそうだ! いざとなったら葉っぱ一枚だぜ!」
5:名無しさん:2023/10/09(月) 00:58:42 ID:dlGOzwp20
こうしてブーンとドクオを乗せた列車は走り出し——
( ゜ω゜)
( ゜A゜)
( ´_ゝ`)「ようこそ、バーボンハウス改め海の家へ」
(´<_` )「さすが食いしんボーイズ、馬鹿馬鹿しい特異点を怪しむ間もなくお出ましとはな」
( ゜ω゜)「兄者……兄者なのかお?」
( ´_ゝ`)「そう、いわゆる兄者」
( ゜A゜)「弟者……弟者なんだな?」
(´<_` )「うん」
6:名無しさん:2023/10/09(月) 00:59:04 ID:dlGOzwp20
( ゜ω゜)(゜A゜ )
( ゜ω゜ ) ( ゜A゜ )
(´<_` )「こっちみんな」
( ´_ゝ`)「どーしたんですかー、最近全然来てくれないから寂しかったですよー」
('A`)「……してやられたな、あのクソおしゃべりハガキめ」
( ´_ゝ`)「まあまあ、そう言いなさんなって」
( ^ω^)「二人の店を懇意にしていたとはいえ、正直嫌な予感しかしないお」」
7:名無しさん:2023/10/09(月) 00:59:30 ID:dlGOzwp20
('A`)「俺はてっきりあの騒動で店潰してどっかの巣にでも高跳びしたと思ったがな」
(´<_` )「生憎俺達には巣のあったかーい暮らしは似合わないからな、ギリギリ都市の裏でコソコソ屋台商売してたってわけ」
( ´_ゝ`)「いやあ、ちっこい部品付きのカニしか取れなかったときはエビ漁船にでも乗ろうかと思ったけど……」
(´<_` )「乗らなくてよかったろ?」
( ´_ゝ`)「あれ以来カモメの鳴き声が怖くなっちゃったよ」
( ^ω^)「おっ、ということは裏路地流石肉店、復活ってことかお?」
( ´_ゝ`)「そうだなあ、復活……。いんや、裏路地を抜けて海らしきもののある外郭まで来たから——」
8:名無しさん:2023/10/09(月) 01:00:04 ID:dlGOzwp20
( ^ω^)ブーンは絶品チキンを辿るようです
——改め
( ´_ゝ`)流石外郭肉店のようです(´<_` )
『( ´_ゝ`)裏路地流石肉店のようです(´<_` )』番外編
9:名無しさん:2023/10/09(月) 01:00:26 ID:dlGOzwp20
(´<_` )「俺は『海の家がやりてえ』って言ったはずなんだけどな」
( ´_ゝ`)「生憎巣の領域以外で海が見えるところはここしかなくて……」
(;^ω^)「え!? ここ外郭なのかお!?」
(;'A`)「どどどどーすんだ、ツヴァイか!? 盾を呼ばなきゃ化け物に食われちまうぞ?!」
(´<_` )「落ち着け、ツヴァイのカスどもやR社の地均し屋なんざいなくても俺がいる」
( ´_ゝ`)「そうそう、危険なロケーションにもかかわらず君たちを招待したのはね、この頼もしいわが弟が護衛としてついているからであってね」
(;^ω^)「バスは!?」
( ´_ゝ`)「ないよ」
(;'A`)「船は?!」
(´<_` )「一から作りゃ、そりゃあるけども」
10:名無しさん:2023/10/09(月) 01:00:51 ID:dlGOzwp20
(;^ω^) ('A`;)
(;^ω^;) (;'A`;)
( ´_ゝ`)「泣いてるの?」
('A`)「死を恐れてんだよ……お前らと違って……」
( ^ω^)「ブーンはお肉さえあればなんでも大丈夫だお!」
(´<_` )「それがなあ」
( ^ω^)「?」
( ´_ゝ`)「あのね、外郭ってすごく危ない場所なんだよね」
( ^ω^)「おん」
(´<_` )「普通、裏路地の連中たちも近づかないような場所な訳だ」
('A`)「うん」
( ´_ゝ`)「でね、肝心の仕入れをしようって弟者に随分歩いてもらったんだけどね」
( ^ω^)「ぶん」
(´<_` )「見つかったのはこれっぽっちってわけだ」
11:名無しさん:2023/10/09(月) 01:01:13 ID:dlGOzwp20
( ^ω^)「これっぽっちってのは、その、ブーンたちの目に前にある……」
('A`)「HEとか……WAWぐらいな感じで……時々TETHぐらいの気配もある……」
( ´_ゝ`)「まあ、一言でいえば外郭をうろついてた化け物を整地ついでに弟者がのしちゃっただけなんだけど」
(´<_` )「残念ながらまともな食材といえばこいつらぐらいしか無くてな」
( ^ω^)「お肉とか……」
('A`)「ほねっこ、などは……?」
(´<_` )「兄者は有るっつったけど、今のところ『こいつら』があるだけだ」
( ^ω^) ('A`) ……
( ;ω;)(;A;)ブワッ
12:名無しさん:2023/10/09(月) 01:02:30 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「あーあ、弟者があんまりひどい現実を教えちゃったから泣いちゃったよ」
( ;ω;)「おーん! おーん! 兄者はブーンたちを裏切ったんだお!」
( ;A;)「俺らを肥やすだけ肥やして……焦らして……最後は食材ってかよ!!」
(´<_` )「そんな事言ったか?」
( ´_ゝ`)「少なくとも俺はそんなつもりはないが、弟者がそうするのなら」
( ;A;)「クソッ……分かったよ、さあ食え! 俺をバラバラにして、肉をこそいで、細かく分けた骨を洗って……」
( ;ω;)「おっ、美味しいお肉になれるならっ、ぶ、ブーンは怖くないお! せめて、ひ、一思いに頼むお!」
( ´_ゝ`)「うーん、なんというかこう……あるみたいだね」
(´<_` )「あるって、何が」
( ´_ゝ`)「誤解……」
(´<_` )「ああ……」
( ^ω^)「?」
13:名無しさん:2023/10/09(月) 01:02:54 ID:dlGOzwp20
(´<_` )「あー、少なくとも俺はお前らお食材にするつもりはないんだが」
( ´_ゝ`)「うん、俺もないかなあ。せっかく自分の料理をおいしがってくれた人をっていうのも、なんだかね」
( ^ω^)「……じゃあ、何の為に呼んだんだお?」
('A`)「まさか……この怪物たちを狩ってこいって……」
(´<_` )「少なくとも、巣育ちの3級職員ごときには任せられないな」
( ´_ゝ`)「……うん、まどろっこしいのはやめよう。俺はね、二人に俺の新作料理の味見をしてもらいつつ、この海の家のスタッフとして働いてほしいんだ」
( ^ω^)「おっ、味見係なら大歓迎だお」
('A`)「後半聞いてたか?」
( ´_ゝ`)「まあ、最初は雑用と味見係が大半かもね。弟者が『食材』を用意して、俺が料理をある程度で揃うまで作る。軌道に乗りそうになったら、二人には接客とかしてもらおうかなって」
15:名無しさん:2023/10/09(月) 01:04:13 ID:dlGOzwp20
('A`)「要するに、バカンスもどきの海の家もどきで、ゲテモノ料理屋の手伝いをしろってのか」
(´<_` )「……俺は好きだけどな、外郭の海も」
( ´_ゝ`)「そういうこった!」
( ^ω^)「おっ、でも兄者たちの作る料理が悪くなかったのはあの時のチキン屋で証明されてるし……」
('A`)「まあ、そうだが……」
(´<_` )「一応、外郭沿いの路地の方にも定期的に行くからな。俺たちの食事の『仕入れ』のついでに」
('A`)「期待していいんだな?」
( ´_ゝ`)「最大限取り計らいます、って。今の弟者はそういう顔」
16:名無しさん:2023/10/09(月) 01:04:38 ID:dlGOzwp20
( ^ω^)「ブーンは全然構わないお、心配なのは帰り道ぐらいだお」
( ´_ゝ`)「あ、帰りたかったら海を背にして30分ぐらい歩くと別の路地に着くから帰りたくなったらいつでも言ってね」
(´<_` )「ただしお前らだけで帰れるとは思うな、オーケー?」
(;'A`)「結局選択肢ナシじゃねーか!」
( ^ω^)「ドクオ、いっしょに腹くくって頑張るお!」
('A`)「貴重な有給が……」
( ^ω^)「たっべほうだい、たっべほうだい」
( ´_ゝ`)「おお、このアブノーマリティ相手に食欲を発揮してくれるとは」
(´<_` )「この悪食め……」
18:名無しさん:2023/10/09(月) 01:06:22 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「ということでまず試作の一品目がこちらになります、じゃーん」
( ^ω^)「おっ、もう出来てたのかお」
(´<_` )「仮にもあんたらも客だからな、呼ぶだけ呼んでなんもありません、じゃ話にならんだろうよ」
('A`)「おっ……骨だ、骨があるぞ」
( ^ω^)「いい匂いだおー」
( ´_ゝ`)「比較的おいしそうにできたと思うよ、俺的に」
(´<_` )「味見は?」
( ´_ゝ`)「そりゃお二人の仕事だからね」
( ^ω^)「食うお! 食うお!」
~寄生樹の不死鳥包み~
20:名無しさん:2023/10/09(月) 01:07:26 ID:dlGOzwp20
( ^ω^)「ホリデーチキンかお? お腹になんか詰まってるお!」
(´<_` )「え? お前鳥の中に何入れた?」
( ´_ゝ`)「え? その辺に生えてた食えそうな葉っぱ」
('A`)「えっほ んっほ」
( ´_ゝ`)「辛いの?」
('A`)「いや、味は別に……」
(;゜A゜)「あっ喉が熱い! 熱くてすごく痛い!!」
Σ( ゜ω゜)「おおお?! ドクオの口から真っ赤な羽が出てきたお!?」
( ´_ゝ`)「はっぱ食いな、はっぱ」
('A`)モシャモシャ……
('A`)「あっ なんかよくなったかも……」
( ^ω^)「わけわかんねえお」
21:名無しさん:2023/10/09(月) 01:08:01 ID:dlGOzwp20
(´<_` )「なんかこの羽、土産もんで売れねえかな」
( ´_ゝ`)「アクセサリーでも作ってみる?」
森('A`)「兄者、兄者」
( ´_ゝ`)「んっ……おお? ドクオが消えちゃったな」
森森
森('A`)森「たすけてー、はっぱがふえるよー」
(´<_` )「言わんこっちゃない」
( ´_ゝ`)「むしってもむしっても取れるからしばらくは使えるかと思ったんだけどな」
( ^ω^)「ちなみにお肉はおいしいお」ムッシャムッシャ
( ´_ゝ`)「肉から羽は出てこないんだ」
( ^ω^)「不思議だお」モッシャモッシャ
森森
森('A`)森「たしけてー」
23:名無しさん:2023/10/09(月) 01:09:29 ID:dlGOzwp20
総評:味はいいけど多分具材がダメっぽい
('A`)『口から羽が出た後は森が出てくるので大自然に一体化したいあなたにおすすめ!』
( ^ω^)『正直可食部が少ないお』
24:名無しさん:2023/10/09(月) 01:09:49 ID:dlGOzwp20
(´<_` )「ちなみにあの菜っ葉、どの方角から取ってきた?」
( ´_ゝ`)「俺から見て3時の方向」
(´<_` )「あそこな、昔L社の支社があった場所だからあんま一人で拾いに行くな」
( ´_ゝ`)「なんと、普通のはっぱかと思ったらこいつもアブノーマリティだったか」
(´<_` )「だから普通のもんは生えてねえんだってここは」
( ´_ゝ`)「まったく彩りっていうものが足りてないね、ここは」
森森
森('A`)森「もりだよー」
25:名無しさん:2023/10/09(月) 01:10:14 ID:dlGOzwp20
森森
森森 ('A`)「無事助かりました」
(;´_ゝ`)「ふー、あやうくドクオが木になる所だった」
(;^ω^)「こいつはのっけからハードだお」
(´<_` )「お疲れのところ悪いが、次の品も冷める前に食っちゃってくれ」
( ^ω^)「ン? 野菜かお……。困るお、ブーンたちはミータリアンのボーンイーターだお?」
('A`)「ちっちっち、お野菜なんかプイだもんね!」
( ´_ゝ`)「ふふん、そう言うと思って……」
( ´_ゝ`)「蜂を乗っけてみました」
(´<_` )「お前ふざけんなって言ってんだろ」
~ポーキュバスのくたくた・女王蜂ソース~
26:名無しさん:2023/10/09(月) 01:10:37 ID:dlGOzwp20
( ^ω^)「早速サバイバル飯かお、先が思いやられるお」
('A`)「あっでもなんか甘くていい匂い……」
( ´_ゝ`)「これはあらかじめ尾を落とした小柄なポーキュバスを背中からささがきにして苦しめた末、弟者に首を折られて泣く女王蜂の身から搾った蜜をソースに煮込み、最後にポーキュバスの棘を差し込んで恍惚に麻痺させた生きたままの働き蜂を添えたものになります」
( ^ω^)「ポーキュバスってなんだお?」
(´<_` )「人を刺して廃人にする植物っぽいやつ」
('A`)「ひー」
(´<_` )「うっかりポーキュバスの棘に触ると廃人になるが、まあさっき抜いたから大丈夫だろ」
( ´_ゝ`)「ちなみにポーキュバスの棘に刺されるとすっごく気持ちよくなって幸せになって最高になって現実が嫌になって死んじゃうらしいぞ」
('A`)「俺はもう植物が怖いよ……」
27:名無しさん:2023/10/09(月) 01:10:59 ID:dlGOzwp20
( ^ω^)「ところで蜂蜜で煮込んだ割にはスープが異様に赤黒いのはなんでだお?」
(´<_` )「そいつは特別な女王蜂でな、どう見ても蜜の代わりに血を滴らせるビー〇インなんだ」
( ^ω^)「へー」ズルズン
( ´_ゝ`)「血肉と聞いて止まらない男、流石はブーンだ」
('A`)「ええい、死なばもろとも……」ズズ
(*^ω^)「おっ……中々だお、甘じょっぱいソースの中にしゃくしゃくのポーキュバスがたまらんお」チャクチャク
('A`)「あ、蜂もなんかがしゃがしゃしてていいかも」カシカシ
28:名無しさん:2023/10/09(月) 01:11:19 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「蜂のおしりをかんでみーな?」
('A`)「かんでみーる」シャク……
(*'A`)「お、おおっ……なんか幸せだ! 幸せが蜂蜜の風味に乗って脳に駆け巡る!」
( ^ω^)「どれどれ」チャク
(*^ω^)「おっ! これがポーキュバスの幸せ成分かお?」
( ´_ゝ`)「ううん、たぶんプラシーボだと思うよ」
('A`)「なーんだ……」
( ^ω^)「がっかりだお」
( ´_ゝ`)「美味かったってんのにがっかりすんなよー」
29:名無しさん:2023/10/09(月) 01:11:43 ID:dlGOzwp20
総評:ちょっとがっかりだけど前菜としてはアリ
('A`)『しゃくしゃくお野菜おいしーね』
( ^ω^)『添えてあるだけと見せかけた蜂も貯まった蜜の風味がたまらんお、でもしがんだ後の蜂は全然味しないからポイするお』
30:名無しさん:2023/10/09(月) 01:12:13 ID:dlGOzwp20
( ^ω^)「ところで、兄者は本気で外郭に料理屋を始めるつもりなのかお?」
( ´_ゝ`)「いや、俺は自分の店を持つっていうのが夢だったからさ。だから弟者と一緒に店が出来れば場所は何でもいいんだ」
(´<_` )「丁度俺と兄者で出来る事が違うからな、こういう事にチャレンジしても悪くないと思ったんだ」
('A`)「ところで二人は今までの料理を食べたのか?」
( ´_ゝ`)「「ぜーんぜん」」(´<_` )
( ^ω^)「チキンもかお?」
(´<_` )「いいや」
( ´_ゝ`)「まったく?」
('A`)「……もしかして、肉屋時代も?」
( ´_ゝ`)「まっさかあ」
(´<_` )「俺らは普通に買ってきたもん食ってたよ、ハムハムパンパンとかで」
( ^ω^)「こんの、裏切り者!」
31:名無しさん:2023/10/09(月) 01:13:04 ID:dlGOzwp20
~食休み~
( ´_ゝ`) 兄者
かつて裏路地を一騒がせした肉屋の主人。お肉をきれいに捌くのが上手。
好きな食べ物はコロッケ。
(´<_` ) 弟者
かつて都市を巻き込む大戦争で名を挙げ、「緑の陽炎」の異名をもらったすごくっょぃ人。本人は恥ずかしいからそうやって呼ばないでほしいらしい。
好きな食べ物はハムハムパンパンのキュウリのサンドイッチ。
( ^ω^) ブーン
都市に通う『三秒で目的地に着く』のがウリの時空鉄道会社に勤務するデブ。意外と動ける。
好きな食べ物は肉全般。
('A`) ドクオ
ブーンの同僚のガリ。よく一緒に兄者たちの店に買い食いに来ては妙な料理をご馳走になっていた。見た目によらず食欲旺盛。
好きな食べ物は骨全般。
※ちょっと用語解説
流石肉店……この話より前の時系列で二人がやっていたお店。本編を読むとよく分かる。
裏路地でいろんなお肉や骨や諸々を取り扱っており、一部のグルメや好事家に大人気。最近爆発した。
アブノーマリティ……化け物。素手で戦うと死ぬ。
TETHとかHEとかWAW……アブノーマリティのランク。あんま気にしなくていい。
32:名無しさん:2023/10/09(月) 01:13:43 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「お次はこちら。特製ナイフで召し上がれ」
('A`)「これは……ちっこい塩釜焼?」
( ^ω^)「にしちゃ表面がぬちゃぬちゃだお」
~妖精と蜘蛛の料理 びっくりカルツォーネ風~
(´<_` )「そのナイフ、少し刃先をいじってるから指で触るなよ」
(;'A`)「何で食器まで改造してんだよ……」
( ´_ゝ`)「食材が食材だからね、そっと包みを開けてごらん」
33:名無しさん:2023/10/09(月) 01:14:41 ID:dlGOzwp20
( ^ω^)「……おっ? 春雨の中からちっちゃい虫が出てきたお」
('A`)「まーたサバイバル飯か……ん? こっちは青虫……いや、妖精?」
( ´_ゝ`)「なにがでるかな、なにがでるかな。蜘蛛糸包みの子蜘蛛と妖精、母蜘蛛の愛の詰まった逸品だよ」
( ^ω^)「むーしゃ、むーしゃ」
('A`)「しあわ……あ、妖精は結構小骨っぽい。俺好きだわ」
( ^ω^)「蜘蛛はプチプチしてやわらかいお、中身もジューシー」
(´<_` )「あらかじめ母蜘蛛の棲家に妖精を送り込んで、中で妖精と蜘蛛が食い合うように仕向けてあるんだ。子蜘蛛と妖精は一つの包みに1、2匹ずついっしょに包み込んであって、蒸しあがる頃に生き残ってたやつが具材として残るんだ」
34:名無しさん:2023/10/09(月) 01:15:03 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「蜘蛛糸は気持ち悪かったらよけちゃってもいいよ」
( ^ω^)ズルルン
('A`)「俺はちょっと苦手だな……ブーン、やるよ」
( )^ω^)ズルルルンオ
(*^ω^)=3
(´<_` )「すっかり平らげてくれて、こっちとしても嬉しいよ」
(*´_ゝ`)「なんか、目の前で自分の作った料理をうまそうに食ってもらえるの、快感かも」
(´<_` )「ちょっと気持ち悪い」
35:名無しさん:2023/10/09(月) 01:15:24 ID:dlGOzwp20
総評:中身がわからないスリルとジューシーな中身が最高!
(*^ω^)『これ、かなりおいしいお!? 蜘蛛を食った妖精の中からも蜘蛛の味がするし、逆に妖精を食った蜘蛛の中からは妖精の味がするお!』
('A`)『包みを開けるまで分からないっていうのもなかなかオツだな。独特の柔らかさのある糸とサクサクの蜘蛛、もちもちの妖精で口の中が楽しい』
36:名無しさん:2023/10/09(月) 01:15:48 ID:dlGOzwp20
('A`)「結構腹もいっぱいになってきたな、まだあるのか?」
( ´_ゝ`)「うん、結構あるけど一旦次で止めようか」
(´<_` )「勿論明日も楽しいメニューがいっぱいだぞ」
('A`)「こわくなっちゃった」
( ^ω^)「ブーンはまだまだいけるお、メインディッシュカモンだお!」
( ´_ゝ`)「よしきた!」
~サンタクロース飯~
( ^ω^)!?
('A`)!!
37:名無しさん:2023/10/09(月) 01:16:18 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「じゃーん、ちょっと早いけどクリスマスディナーだよ」
('A`)「さっきもクリスマスじゃなかった? ていうか何このでっかい……トナカイと船の融合体?」
(´<_` )「ソリだよ、ソリ」
(*^ω^)「お……お! お!」
( ´_ゝ`)「ふふん、ここに来る前たまたま弟者がいい食材を見つけてきてくれたからね。やっと二人にぴったりのメニューになったよ」
(´<_` )「そっちのトナカイのツノと蹄はドクオに、ラップの中身はブーンにだ」
(*^ω^)「ラップ包みのくせにリボンまでかけてあるなんて……今にも滴りそうなお肉が丸見えだお!」ジュルル
(*'A`)「お……お、うま、かた、いっ……! しかも乾きすぎてない絶妙な湿潤……!」ゴリボリッ
(*^ω^)「ハムッ……! 痺れるお、全身痺れるお! ジューシー生肉なんばわーんだお!」
( ´_ゝ`)「ライスはさっぱりジャスミン風味。小盛にしたからゆっくり召し上がれ」
38:名無しさん:2023/10/09(月) 01:16:50 ID:dlGOzwp20
数分後……
('A`)「……」
( ^ω^)「……」
(´<_` )「どうした、さっきまで大はしゃぎだったくせに」
( ^ω^)「あの」
( ´_ゝ`)「ん?」
('A`)「食べ進めるうちに気が付いたんですが、その」
(´<_` )「ああ」
( ^ω^)「この料理、デカすぎないかお?」
('A`)「食っても食っても……骨と骨が残って……減ってないっていうか……」
( ^ω^)「袋の中身、一回さかさまにしてご飯にかけたけどいつの間にか増えてるんだお……」
( ´_ゝ`)「そりゃあ、サンタの袋の中身は飢えた子供を満足させるにぎっしりだからね」
(´<_` )「こいつはそういう”モノ”だから、まあ、食い飽きたらそこそこにしてくれて構わないよ」
39:名無しさん:2023/10/09(月) 01:17:10 ID:dlGOzwp20
総評:美味しいけど無尽蔵に増え続ける料理はつらい
( ^ω^)『リボンのかかった袋はひっくり返してもひっくり返しても気づいたら中身が補充されててだんだん気が滅入ってきたお、美味しかったけどもうしばらくは何も入らんお』
('A`)『ぐるちーよぉ……』
40:名無しさん:2023/10/09(月) 01:17:32 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「まあ、今日はこんなところにしておこうかね」
(;^ω^)「ぐるじいお……」
(;'A`)「フー、フーッ……」
(´<_` )「時に兄者、俺達の食事は?」
( ´_ゝ`)「あれ? 昨日買ってきたサンドイッチ……は、食べちゃったんだっけ」
(´<_` )「……しょうがねえなあ。おーい、W社の二人。ちょっと表に『仕入れ』に出るから兄者を頼む」
(;^ω^)「フゥ、フゥ……り、了解だお……」
(;'A`)「え、無理、俺動けないんだけど……」
( ´_ゝ`)「弟者ー、頼りにならなくてこわいから早く帰ってきてくれー」
(´<_` )「……これなら人柱にでもどっかのオフィサーを雇っておくべきだったなぁ」
41:名無しさん:2023/10/09(月) 01:18:01 ID:dlGOzwp20
——外郭からダッシュ10分、某サンドイッチチェーン
(´<_` )(俺達が食う用のなるべく保存がきく食事と、あとは……『食材』になりそうなもの)
(´<_` )(まあ、『仕入れ』は最悪裏路地の方で済ませてもいいな)
((゚∀゚∩「いらっしゃいませだよ!」
(´<_` )「スペシャルサンド2つとピクルスのパック、あとミートローフの缶詰があれば4つ」
((゚∀゚∩「かしこまりましただよ! あちらの列でお待ちくださいだよ」
(´<_` Σ<ヽ`∀´>「おーっと、失礼ニダ」ドムッ
(´<_` )(……)
42:名無しさん:2023/10/09(月) 01:18:26 ID:dlGOzwp20
<ヽ`∀´>「それにしてもシケた店ニダ! ニダの店に来ればこんなスポンジもどきなんかかじらなくてもお腹が膨れるニダ!」
( ,,^Д^)「えー、だったらもっと呑める場所にしましょうよぉ」
<ヽ`∀´>「そーするニダ、今日は……随分懐があったまったニダからなあ!」
( ,,^Д^)「ギャハハハ!」
□
((゚∀゚∩「おまたせだよ! スペシャルサンド2つにピクルス1、ミートローフ4のお客さまー!」
(´<_` )「あー……すまない、どうやらさっきの客に財布をスられたみたいだ。悪いが待っててもらえるか?」
□
((゚∀゚;∩「えっ!? こまるよー、それにあいつら、シナ派の……」
(´<_` )「知ってる。……そうだな、十分経って俺が戻らなかったらこいつが払うよ」
(´<_` )つ(,,゚Д゚)えっ」
□
((゚∀゚∩「わかったよ! それじゃあきっかり十分、待つよ!」
(,,゚Д゚)「えっ」
43:名無しさん:2023/10/09(月) 01:18:50 ID:dlGOzwp20
(´<_` )(しっかし、元々屑どもの寄せ集めのくせに少し見ない間に随分質が落ちたもんだ)
当惑する男の肩から手を放し、緑の眼差しはぬるりと路地の闇に溶けていく。砂を蹴るような粗暴な足跡に、自分の足首すら隠すような足取り。下卑た笑いの反響に呼吸を溶かし、僅かなネオンの輝きに錆びたピックの先が煌めいた。
(´<_` )「さっき盗ったモン、返してもらおうか」
( ,,^Д^)「ッ……ァ゛が、あ゛ぁあっ!?」
まずは一人。おおかた子分らしいチンピラの首筋の中央を僅かに逸らし、駆け寄る体重の軸をぶれさせないよう真っ直ぐに突き抜く。ピックの先端が肉とは違う太い血管壁を通り抜けた感覚を確かめ、一気に引き抜けば細い出口を押し合うように濁った赤が噴き出る。
脈を引き金にした水鉄砲のように血を噴き出す男がパニックに膝を付くと同時に後頭部からやや下、頚椎を狙い横蹴りをかます。
44:名無しさん:2023/10/09(月) 01:19:10 ID:dlGOzwp20
( ,, Д )「い゛あ、あ゛……!」
<ヽ×∀×>「ニダッ?!」
ぼこ、と鈍い音と共に体勢を崩す男。その喉元に咲いた銃口は、先を歩いていた男の顔に不格好な薔薇を描く。視界を部下の血に奪われた男がよろめいた瞬間に、俺は握りなおしたアイスピックをもう一度構える。
<ヽ;;∀´>「オ、オマエ……」
勢いのまま投げたピックは安物のデニムを貫き、丁度顔を拭って向き直った男のアキレス腱の真ん中を通り、文字通り地面に釘付けにした。トラバサミに捕まった獣のようにじたばたと足をもがかせる度、ぴち、ぶちりと徐々に肉の裂ける音がする。
45:名無しさん:2023/10/09(月) 01:19:32 ID:dlGOzwp20
<ヽ;∀;>「ひ、ひい゛っ、あ、あ゛しぃっ、あ゛じがぁ!」
生命の危機に瀕したアドレナリン放出下の人間の力は強い。それこそ、たった一本のピックで自らの足を引き破ってしまうほどに。
片足の筋肉を喪失してもなお逃げ出そうと必死に足をもがかせる男は、泥汚れの中にできた悪臭を放つ水たまりの中で寄生されたカマキリのようにもがき続ける。
(´<_` )「自業自得」
46:名無しさん:2023/10/09(月) 01:20:04 ID:dlGOzwp20
『敢えて甚振るも美食の技法』——どこかの路地にそう言ったシェフがいたか。
趣味じゃないとは思いつつ、こちらは素材主義。検分に余念がない以上、そいつらの美学と俺たちの美学は傍目からすれば同じなのかもしれない。
(´<_` )「歯列、不適格」
<ヽ;:>々´>「ぐば、ぼッ……!」
(´<_` )「眼球、汚濁アリ」
<ヽ;:.々+::>「に゛、あ゛ぁああ゛!!」
(´<_` )「重要オーダー不適格。よってランクC……『一般食用骨肉』」
47:名無しさん:2023/10/09(月) 01:20:39 ID:dlGOzwp20
不要な部位をあえてめちゃくちゃに踏み荒らし、兄者の『作業』の際の選別の手間を省く。血抜きを兼ねてわざわざ傷を増やすように振舞うのも、また然り。
最後に未だ片足を地面に括りつけたまま叫び続ける男の喉を踏みつぶし、溺れるような断末魔を塞いだ。そうすれば路地の方々から姿を隠して覗いていた視線たちがすっと消え失せた。これが決闘でも鏖殺でもない、単なる『仕入れ』であることが理解されたのだろう。
掃除屋も同業も、無断の仇討ち屋にも手を出させない。これが、うちのルールだ。
48:名無しさん:2023/10/09(月) 01:21:17 ID:dlGOzwp20
最後に砕けた顎を奇妙な方角に晒す男の上着を掴み、その中を探る。馴染みのあるくたびれたレザーの感触を確かめて取り出す。すっかり血を吸ったシャツの中から出てきた財布は、よく汚れた血を弾いていた。
(´<_` )「よっ……と」
<ヽ ::;∀。>
( ,,。_Д::..)
元の人相が判らないように顔を潰した『肉』を引きずり、俺は元来た道を往く。雨もないのにぴちゃぴちゃと鳴る足元の水溜まりが消えるまで、そう長くはかからなかった。
49:名無しさん:2023/10/09(月) 01:21:44 ID:dlGOzwp20
——再度・某サンドイッチチェーン
(´<_` )「すまん、遅くなった」
(,,゚Д゚.)「あっ」
((゚∀゚.∩「あっ……!」
(´<_` )「いやーあの財布、兄弟からの誕プレだったんで回収したかったんだ……が」
(´<_` )「君たち、俺のサンドイッチは?」
((゚∀゚∩「たべちゃったよ……」
(,,゚Д゚)「帰ってくると思わなくて……」
(´<_`;)「まだ8分じゃねーか! このせっかち! ていうかミートローフの缶まで開けやがって……!」
(,,;Д;)「許して! 許して!! その持ってるぐちゃぐちゃ野郎の仲間入りさせないで!」
(´<_` )「ぐちゃぐちゃ? ……あ、やべ」
<ヽ ::;∀。>
( ,,。_Д::..)←ぐちゃぐちゃのみなさん
50:名無しさん:2023/10/09(月) 01:22:09 ID:dlGOzwp20
(( ∀ ∩「ヴッ、ぉ……」
(´<_`;)「やめろ! 俺のサンドイッチに吐くな!」
(,,;Д;)ムシャムシャムシャ
(´<_`;)「食うのもやめろ! 何平気な顔してんだ!」
(,,;Д;)「だっ、ヒグッ、だってえ……サンドイッチなんかっ、久しぶりでえ……!」
(´<_` )「あーもー……分かったから、バイトの兄ちゃんは中戻って、ウサギの兄ちゃんは——」
(´<_` )「……ん? ウサギ?」
51:名無しさん:2023/10/09(月) 01:22:37 ID:dlGOzwp20
(,,゚Д゚)「モグモ あっはい、自分、R社ウサギチームのギコですけど……」
(´<_` )「なるほど、どおりで動じない……」
(´<_` )←いいこと考えた
(´<_` )「……サンドイッチ、目一杯食っていいからちょっと頼みを聞いてくれよ」
(,,゚Д゚)(嫌だけど……嫌だけど断ったらもっと嫌な目に)
(´<_` )「断ってもいいよ、ただし——」
(´<_` )Σ(,,゚Д゚)スッ
□←ギコの財布
(´<_` )ノ「ちゃんと店に食った分の代金が払えるならな」
(,,;Д;)「あーっ! 初任給で買った財布! どろぼー!」
(´<_` )「サンドイッチ泥棒が何を言うか!」
52:名無しさん:2023/10/09(月) 01:22:57 ID:dlGOzwp20
——そして、再び外郭の海
(´<_` )「ということで、サンドイッチと引きかえに頼もしい仲間を連れてきたよ」
(,,×Д×)キュウ
('A`)「おお……この制服はまごうことなきR社のウサギチーム!」
( ^ω^)「頼もしいお! ブーンたちが一課束になっても叶わないといえばR社のウサギチームだお!」
( ´_ゝ`)「ねー見て見てネジっこドラゴ……あっ、『仕入れ』てくれたの?」
(´<_` )「むやみに機械ガニを悪魔合体させるなよ……。こいつはたまたま捕まえただけだ、生きてるから捌くなよ」
( ´_ゝ`)「つーん」
( ^ω^)「ぶーん」
(´<_` )「仕入れたのはこっちだ」
<ヽ ::;∀。>
( ,,。_Д::..)
( ´_ゝ`)「よし、満点!」
53:名無しさん:2023/10/09(月) 01:23:31 ID:dlGOzwp20
(*^ω^)「肉お! 新鮮な肉お!」
(*'A`)「おお骨よ、なぜ人は骨なのか」
(,,×Д×)「おもいー、くさいー、はらへった……」
(´<_` )「まだ食うか貴様は」
(*´_ゝ`)「ようっし、食欲満々のお客様も増えたことだし早速次の料理に行こうか!」
~夢見るふかひれスープ~
54:名無しさん:2023/10/09(月) 01:24:14 ID:dlGOzwp20
('A`)「わあ、虹色」
( ^ω^)「でもふかひれは本物っぽいお?」
('A`)「添えてある本物っぽい注射器も本物?」
( ´_ゝ`)「本物だよ。中身を加えて味変しつつ召し上がれ」
(´<_` )「さ、アンタも遠慮なく」
(,,゚Д゚)「え? え? これって食えるの?」
( ´_ゝ`)「さあさ、遠慮なく」
(,,゚Д゚)「遠慮とかじゃなくって」
( ^ω^)「……お! なんかお菓子みたいな味がするお?」
('A`)「ふっしぎ、ふっしぎー」
( ´_ゝ`)「フカヒレと一緒に舌も切って煮込んでみたからタンシチューも兼ねてるよ」
( ^ω^)「贅沢だお……」ズゾゾ
('A`)「〆にスープとはなかなか……」ススッ
55:名無しさん:2023/10/09(月) 01:24:43 ID:dlGOzwp20
(,,゚Д゚)ゴクリ……
(´<_` )「それともウサギは草しか食まないか? だったらその辺に生えてる流木でも何でもかじって片付けてもらおうかな」
(,;,゚Д゚)「い、いただきます! いただきますね!」
(,,-Д-)ズズ……
( ´_ゝ`)「大丈夫、ちゃんと美味しく作ったから」
(,,゚Д゚)「お……ほんとだ。温かくてなんつーか、しゃきしゃき?」
('A`)「試しにこちらの注射器の中身をば」チルチル
( ^ω^)「明らかに不可食物の色なのに止められない好奇心、フォーエバーだお」
(,;,゚Д゚)「う……」
(,,-Д-)ゴクリ
56:名無しさん:2023/10/09(月) 01:25:19 ID:dlGOzwp20
(,,゚Д゚)+「お……おお!」
(,,*,゚Д゚)「濃厚な葡萄風味がワインのようにスープに溶けてコクが増している! フカヒレのわさわさ部分が飴状にコーティングされ触感も新たに甘みと深みがとろりと口で踊るぞ……!!」
( ^ω^)「確かによくわかんないけどちゃりちゃりしてて美味しいおね」
('A`)「この注射器の中身は一体……」
(´<_` )「間違ってもそのまま舐めたり器の外に出すなよ、食材に突き刺さってたものをそのまま添えてるだけだから」
( ´_ゝ`)「いやあまさか本当に美味しくなるとは思わなかったよ、夢みたいだね」
(,,*,゚Д゚)「感動だ……タンの厚みを噛み締めるごとに溢れる肉汁、筆舌に尽くしがたい複雑な味わいのレイヤーがこのスープの極彩色の真骨頂! ハムパンの限定サンドイッチよりうまいぞ!」
(´<_` )「とりあえずこいつを連れてきたのは正解らしかったな」
( ´_ゝ`)「えらい。弟者にはご褒美にぶどう味のキャンディーをあげよう」
57:名無しさん:2023/10/09(月) 01:25:39 ID:dlGOzwp20
総評:見た目はファンシー、とってもおいしい!
( ^ω^)『甘めの味付けがブーン的にはグッドだったお』
('A`)『注射器の中身をスープに散らすとしゃりしゃりになって飴細工みたいだった』
(,,゚Д゚)『極上の美味……!!』
58:名無しさん:2023/10/09(月) 01:26:09 ID:dlGOzwp20
(,,゚Д゚)「しかしまあ、外郭にこんな旨い飯が出る屋台があるなんて知らなかったぞ」
( ´_ゝ`)「そりゃあ、最近オープンしたばっかりだからね」
( ^ω^)「ここは知る人ぞ知る名店だお」
('A`)+「こだわりの食材、こだわりの職人……だから俺たちは通い続けてたんだ」
(´<_` )「変な客のせいで店が定期的にぶっ潰れるがな」
(,,゚Д゚)「ええ……」
( ´_ゝ`)「前の店、土地の権利はまだ俺が持ってるけどそれがまかり通るような場所でもないしね。これだけうまくいってるなら上手いことここでやっていっても悪くないかあ」
(´<_` )「まさか兄者の思いつきが本当にうまいこといくとは思わなんだ」
( ´_ゝ`)「褒めるないや」
59:名無しさん:2023/10/09(月) 01:26:40 ID:dlGOzwp20
( ^ω^)「ちなみにR社の皆様はお肉好きかお?」
(,,゚Д゚)「ん? あー、好きな奴もいるし、そうでもないやつもいるが……」
('A`)「ほねっこは? ほねっこは?」
(,,゚Д゚)「骨は……いねえかな……」
('A`)「ノットグルメ!」
( ´_ゝ`)「ほーい、お二人。お口直しにいつものをミニセットで」
(*^ω^)「お? ……おお! 久々の流石産のお肉だお! ラードも筋もつやつやでおいしそうだおー」
(*'A`)「ふひ、きたきた……! ほねっこ、やはり最高はほねっこ……!」
60:名無しさん:2023/10/09(月) 01:27:18 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「ウサギのお兄さんのお好みは分からないけど、一応うちの本来のメニューだよ。よかったら召し上がれ」
(,,゚Д゚)つ♨︎……
(,,゚Д゚)「この生温かいものは……」
(,,゚Д゚)「生肉と骨?」
( ´_ゝ`)「うん」
(,,゚Д゚)←すべてを理解した
61:名無しさん:2023/10/09(月) 01:27:43 ID:dlGOzwp20
(´<_` )「今日のはまあ……それなりーだ、それなりー。口に合わなかったらそっちの二人にくれてやんな」
(*^ω^)「ハムッ、ハムハフッ!」ムチャムチャ
(*'A`)「うめえwww」ボリゴリ
( ´_ゝ`)「さっきあんなに食べたのにまだ食べられるんだね」
( ^ω^)「お肉は別腹だお」
('A`)「ほねっこは……ほら、デザート。ゆえに別腹、オーケー?」
(,,;,゚Д゚)♨︎ゴゴゴ……
( ´_ゝ`)「……冗談だよ。ウサギくんには口直しにこれをあげよう」
~桜酒~
62:名無しさん:2023/10/09(月) 01:28:28 ID:dlGOzwp20
(,,゚Д゚)つ廿「おっ……酒か? いい香りがするな」ゴクリ
( ´_ゝ`)「たまたま向こうの森に生えてた桜の枝を一本頂戴してきたんだ」
(´<_` )「不思議なことにその桜は年中咲き誇り……」
('A`)「綺麗な桜の下には死体が埋まってなんとかかんとか」
(´<_` )「まあ、俺が『ゴミ捨て場』にしてたところに急にバカでかい木が生えてたからびっくりしたんで記念にな」
(,,゚Д゚)「……うん、おれむつかしいことは考えない。かんがえないよー」
( ^ω^)「しっかしきれいな花だおね。都市でもこんなに立派な桜、見たことないお」
(,,゚Д゚)「甘みがあってすっと消える風味に……後口に残る深み……」
(,*,゚Д゚)廿「……いいな。しみるな」クーッ
63:名無しさん:2023/10/09(月) 01:28:50 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「ちなみに器からも不思議な匂いがするよ。ピンクの陶器も相まってピッタリでしょ」
(´<_` )「アルリウネの首をへし折って作った特製おちょこだ」
( ^ω^)「なんて?」
('A`)「多分知らないほうが幸せかもしれない! 多分だけど!」
(,,*,゚Д゚)「ああ……いい香りだ……」グイ
64:名無しさん:2023/10/09(月) 01:29:38 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「どれ、俺も一口」チピ
(´<_` )「……やめとけ」
( ´_ゝ`)「やめませーんあはは」
( ^ω^)「おー、ずるいお。ブーンたちにもお酌してくれお!」
( ´_ゝ`)「はいどんどん」
('A`)「あ……俺下戸なんで……」
( ´_ゝ`)「はいじゃんじゃん」
( ^ω^)「全然聞いてねえお」
(´<_` )「兄者は呑むと元々話を聞かないのが余計にひどくなるんだ」
('A`)「俺のめないのに……」
(,,*,゚Д゚)「んじゃ俺が貰うぞ! 飲みやすいのに軽すぎなくてたまらんぞゴルァ」
(´<_` )「俺ぁ絶対介抱しないぞ」
65:名無しさん:2023/10/09(月) 01:30:05 ID:dlGOzwp20
——数時間後
( -ω-)スピーゴー
( -_ゝ-)クググググ……
(,,-Д-)ゴロゴロ……
(´<_` )「言わんこっちゃない」
('A`)「あらまあ……」チミチミ
(´<_` )「……ドクオって食い方綺麗だよな」
('A`)「えっ……そうかな……」チミッ
('A`)「……骨だからじゃない? 食べてるのが」
(´<_` )「そうか。……そうかもな」
('A`)(……なんか気まずい!)
66:名無しさん:2023/10/09(月) 01:30:27 ID:dlGOzwp20
(´<_` )「……ここは比較的森から離れてるから心配いらないが、夜は掃除屋が追い立てたやつらがたまに出てくるから俺が見張ってるんだよ」
('A`)「そうなんだね」ポリポリ
(´<_` )「……時々兄貴に稽古つけてやってるけど、未だにその辺のチンピラ相手でもまともに戦えないからな」
('A`)「そっか……(弟者も兄者のこと兄貴って呼ぶんだ)」
(´<_` )「それで……日が昇ったら多分起きてくるから、そこで交代。俺は夕方ぐらいまで寝て、夕方ぐらいから店を始めようかなって思ってる」
('A`)「まあ、俺達もここに来るのは仕事終わりになりそうだし、いいんじゃないかな」
67:名無しさん:2023/10/09(月) 01:31:07 ID:dlGOzwp20
(´<_` )「あー……別にあんたは客だから寝てていいんだぞ」
('A`)「えっ、いや……俺、結構夜更かしだし……有給取ってるし……」
(´<_` )「そっか」
('A`)(確実に俺に話しかけてるのに、絶妙に目線が合わない感じ……)
('A`)「気まずい!」
(´<_` )「ん? 何が?」
('A`)(出ちゃった!)
(;'A`)「あ、んと、なんか……」
('A`)「……弟者ってやっぱ、なんか俺達と距離ある感じするな、って」
(´<_` )「あくまで店主は兄貴だからな。俺は仕入れ係兼用心棒みたいなもんだ」
('A`)「そっか……」
68:名無しさん:2023/10/09(月) 01:32:10 ID:dlGOzwp20
('A`)「……でも、俺はいつもありがとうって、兄者にも弟者にも思ってるから!」
(´<_` )「そう」
('A`)「……うん。ブーンも、思ってると思う。俺たち以外の人も、ずっと肉屋に来る人は」
(´<_` )「…………」
(´<_` )「ハガキに引っかかったのが、あんたらでよかったよ」
(*'A`)「えっ……!」
( ´_ゝ`)「おっ、珍しく弟者がデレている。海のせいかな?」
(´<_` )「この、狸男め」
( ´_ゝ`)「途中までは寝てたよ、途中まではね」
(´<_` )「……見張り交代。何かあったら起こせ」
( ´_ゝ`)「ほいほい。ついでにそこで転がってる二人、テントに転がしておいてあげて」
('A`)(俺達でよかった……んだな)
('A`)←すこしうれしい
69:名無しさん:2023/10/09(月) 01:33:17 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「ドクオもタイミング見て向こうのテントで寝てくれて構わないよ」
('A`)「ん、ありがとう」
( ´_ゝ`)「……弟者はね、強いんだけど、弱いんだよ」
('A`)「アルコールに……?」
( ´_ゝ`)「それは強いかな」
('A`)「じゃあ、兄弟に?」
( ´_ゝ`)「……うん、まあ、そんなところかもね」
( ´_ゝ`)「弟者は昔はすごいフィクサーで、えらい人にお願いされて人ばっかり殺してたから、人は殺すものだとしか思わなくなっちゃったんだ」
('A`)「……兄者のことは殺さなかった?」
( ´_ゝ`)「何故か俺にはそうしなかったね。そもそも家に帰ってこなかったし、俺も他人だと思ってたんだ」
70:名無しさん:2023/10/09(月) 01:33:42 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「でも、朝が真っ暗に、夜が明るくなった日、急に帰ってきて……なんとなくここにはいられない気がして、弟者と一緒に家を出たんだ」
('A`)「白夜、黒昼?」
( ´_ゝ`)「うん。あれ以来、なんか嫌になっちゃったんだって。だから俺も一緒に行くことにして、その辺の空き地を店にしたんだよ」
('A`)「そうなんだ……」
( ´_ゝ`)「殺す人と殺さない人の区別がつくのはようやく最近で、それまではもっぱら適当なところで人を殺して帰ってきて、俺も売るものがないから弟者が持ってきたそれを売ってた。だからうちは肉屋になったんだよ」
( ´_ゝ`)「最初は通りすがりのお客さんも殺してたし、やっと常連になった人を珍しく見送ったと思ったら殺して裏口に持ってきたし……」
( ´_ゝ`)「良くも悪くも、弟者はかわいそうなんだ」
('A`)「……でも、今の弟者は少なくとも俺たちを殺そうとしないよ」
( ´_ゝ`)「うん。だからね、俺も感謝してる。ここに通ってくれる……まあ、お二人ほどまともじゃないにせよ、贔屓にしてくれる人たちにはね」
71:名無しさん:2023/10/09(月) 01:34:18 ID:dlGOzwp20
('A`)「……兄者は、変わってるけどやさしいね」
( ´_ゝ`)「俺はやさしいよ。人なんて到底殺せないし」
('A`)「えっ」
( ´_ゝ`)「えっ?」
('A`)「さっきから浜辺を歩いてる蟹を虐殺しまくってるのに……?」
@←蟹の死骸の山
@@
@@@( ´_ゝ`)「えっ?」
72:名無しさん:2023/10/09(月) 01:34:40 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「蟹はさ、なんかむいちゃうんだよ。甲羅がさ、ぺりっといけそうで」
('A`)「でも食べない……っていうか食べられないんだよね!? その背中からドライバーが生えてる蟹は!?」
( ´_ゝ`)「食べないよ。カニクリームコロッケになってくれるなら食べるけど……」
('A`)(やっぱこのひとこわい)
( ´_ゝ`)「……コロッケ食べたくなっちゃったな。コンビニ行きたい、一緒に行く?」
('A`)「見張りは??」
( ´_ゝ`)「もー昨日から作ってばっかで何にも食べてないんだもん……コロッケ食べたいよ……」
( ´_ゝ`)つ"(-<_- )「弟者寝ちゃった? ねえねえ弟者、コンビニついてきてよ」
('A`)「……こらっ!」
73:名無しさん:2023/10/09(月) 01:35:01 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「?」
('A`)「コンビニなら……朝になったら俺がついてくから、弟者は寝かせてあげようよ」
('A`)「……無理なら、今から俺がコロッケ作るから」
( ´_ゝ`)「ほんと? わーい、ドクオコロッケだ」
(;'A`)(しまった、勢いで言ったら俺がコロッケになる感じになってしまった)
( ´_ゝ`)「お肉はいっぱいあるし、さっき使った材料の残りなら好きに使っていいよ。油もあるし」
(;'A`)「や……やってやらあ!」
~ドクオコロッケ~
74:名無しさん:2023/10/09(月) 01:35:38 ID:dlGOzwp20
('A`)「えーっとまず、肉……」
('A`)「コロッケにはひき肉を使うので部位は気にせず、適当に切り落とします」グッチャグッチャ
('A`)「これを、ミンチマシーンに入れて……と」ムチャヌチャ
('A`)「ラード、少々……玉ねぎ、がないのでポーなんとかを刻んで、パン粉……もない! ええい! 蜘蛛の糸が乾いたやつをバラバラにして混ぜる!」グッチャグッチャ
('A`)「卵はあるんだ。じゃあ卵をこーして、刻んだ春雨もこーして……」
('A`)「あっ、油温めなきゃ。揚げ物温度……わかんない!ガスコンロわかんない!」チチチチチ
('A`)「とりあえずまとめたものをぺちこね……ぺちこね……」ペチコネ
('A`)「衣的なものを付けて……アイキャンフラーイ!」ジュゥウウウウ
('A`)「あとは……祈る!」
75:名無しさん:2023/10/09(月) 01:36:06 ID:dlGOzwp20
('A`)「という事でかんせーです」
( ´_ゝ`)「わーいわーい、夜食といえばコロッケ最高」
('A`)「味の保証は……ない!」
( ´_ゝ`)「んー、おいしー。衣ザクザク、中ジューシー!」
('A`)「ほんとお?」
( ´_ゝ`)「うん、ほんと。ドクオも食べてごらんよ」
('A`)モグリ
(*'A`)「……おいしーい」
( ´_ゝ`)「夜中のコロッケって罪の味だよね。油通しして水分が飛んだ蜘蛛の糸がカリカリの衣になっててナイスチョイスだよ」
('A`)「軟骨ごと肉をねじ込んだものも正解だったね」
( ´_ゝ`)「んむ、ときどきコリコリ……」
76:名無しさん:2023/10/09(月) 01:36:29 ID:dlGOzwp20
総評:素朴な味付けながらも触感が楽しい!
( ´_ゝ`)『今気づいたけど初めて店の商品に手を出しました』
('A`)『寝ているミンナには内緒だよ』
(。-ω-)『……クイ……タイ……オ……』
77:名無しさん:2023/10/09(月) 01:37:01 ID:dlGOzwp20
——次の日
(,,゚Д゚)「はっ……」
(,,゚Д゚)(そうだ、俺は人殺しにサイフをスられて海に沈められて……)
(,,゚Д゚)「あんたが……助けてくれたのか?」
( ^ω^)「何の話かわかんねえけど腹減ったおね」
('A⊂)「ううーん……もうちょっと寝てていい?」
( ´_ゝ`)しょうがないなー、朝は軽めにしようか」
(,,゚Д゚)「あ!人殺し!」
( ´_ゝ`)「だから人違いだって」
~まるごと白雪~
78:名無しさん:2023/10/09(月) 01:37:33 ID:dlGOzwp20
( ^ω^)「バカでかい以外は普通のリンゴだおね」
('A`)「この下のぐるぐるしてるの何? 蔦?」
( ´_ゝ`)「うーん、多分。リンゴをむしろうとしたら蔦がくっついてきて離れなかったから一緒に盛り付けちゃった」
('A`)「なんちゅーワイルド」
(,,゚Д゚)「でも結構柔らかそうだな」ツプン
Σ(,,゚Д゚)「うわ!! 中身溶けてる!! ていうか何だこの臭い」プーン
( ´_ゝ`)「遅すぎたんだ、腐ってやがる……」
79:名無しさん:2023/10/09(月) 01:38:04 ID:dlGOzwp20
(-<_- )ンググ……
(´<_` )パチーン
( ´_ゝ`)「あまりの臭さに弟者が起きちゃったぞ」
( ^ω^)「ぶっちゃけブーンはこれぐらいでもいけなくはないおね」ムチャムチャ
(´<_` )「……カース・マルツゥみたいなもんだ……食えるよ」
('A`)「下の葉っぱのコーティング、砂糖だと思ったら骨粉でコーティングされてるんだ。おしゃれだね」シャクシャク
(,,゚Д゚)(何で腐ってるのに食えるんだこの人たち……)
80:名無しさん:2023/10/09(月) 01:38:28 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「じゃあ、中身はほじってみるかでわかんない?」
(´<_` )「恐らく。運がよかったら雛鳥ぐらいは入ってるんじゃないか」
(;^ω^)「あ! かったい、硬いのなんか噛んだ! なんだこれ!」
('A`)「当たり?」
( ´_ゝ`)「おお、大当たり」
(´<_` )「どうやら中に人が飲み込まれてたみたいだな」
(,;,゚Д゚)「『人』が!? リンゴに!?」
81:名無しさん:2023/10/09(月) 01:39:03 ID:dlGOzwp20
( ^ω^)「うーん、リンゴに浸かったホロホロのお肉……たまらんお」ムグムグ
('A`)「あ、じゃあその骨ちょうだい」
( ^ω^)「うんお」カラン
('A`)ボリゴリ……
(,,゚Д゚)「……俺は遠慮しとこうかな……」
( ´_ゝ`)「昨日から何にも食べてないのに?」
(,,゚Д゚)「うぐ……」
(´<_` )△「……まあ、元々俺が用心棒に拾ってきただけだから無理にとは言わない。これでも食ってろ」
(,,;Д;)ムシャムシャムシャ
( ´_ゝ`)「……普通のメニューも考えたほうがいいのかな?」
(´<_` )「そうかもしれないな」
82:名無しさん:2023/10/09(月) 01:39:29 ID:dlGOzwp20
総評:最初の臭いでいけるかどうか判断したほうがいいかも
( ^ω^)『大当たり以外も見てみたい気持ちがあるお】
('A`)『リンゴ自体もトロトロでジャムっぽくておいしかった』
(,,゚Д゚)『今まで食った中で一番うまいサンドイッチでした』
83:名無しさん:2023/10/09(月) 01:39:52 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「さて、そろそろ最初に集めた食材が尽きてきた頃合いだ」
(´<_` )「お前ら、昨日たらふく食った分今日はちょっとばかし働いてもらうから覚悟しろ」
(;^ω^)「おー……分かっちゃいたけどやっぱりかお」
('A`)「腹、括るか」
('A`)「……ん? 何であんなところに車が」
( ´_ゝ`)「車?」
('A`)「あっち、9時の方角に黒い……」
(´<_` )「……視えた。こっちに来る」
(,;,゚Д゚)「ゲッ、あの車って……!!」
84:名無しさん:2023/10/09(月) 01:40:28 ID:dlGOzwp20
ザザーーーーーーー
『——ギコくん、聞こえる?」
(´<_` )「……お前、トランシーバーなんて持ってやがったな」
(,,゚Д゚)「えっ、だってあの時仕事終わりで、そのまま連れてこられたから——」
『よーし、いるのは分かってるから。クライアント任務放棄及び無断の連絡途絶は報告書だけじゃ済まないよ?』
(,,゚Д゚)白『——あー、こちらウサギチーム、ギコ。諸事情により持ち場を離れた事を謝罪する……』
(´<_` )「……見習い二人、兄者を連れてなるべく路地へ抜けろ。荷物はいくら捨てても構わんが武器だけは離すな、行け」
(;´_ゝ`)「弟者っ、おれ、どうし——」
(,,゚Д゚)白『これより、26分18秒の遅れをもって任務を開始する総員、行動開始!』
85:名無しさん:2023/10/09(月) 01:40:52 ID:dlGOzwp20
(´<_` )「……チッ、戦力外どもが」
('A`) (^ω^) (*゚ー゚)=3
( 三 ) ( 三三 ) く( )ノ
∥ | | ||
('A`) (^ω^)<ごめんお
( 三 ) ( 三三 )
∥ | |
(;´_ゝ`)「ええ~~」
(*゚ー゚)「弟君が厄介なのは知ってるけど、店主の兄は何もできないって本当なんだ。後映画いなくちゃ一人で逃げられもしない」
86:名無しさん:2023/10/09(月) 01:41:27 ID:dlGOzwp20
(*゚ー゚)「……ま、本来任務妨害は例外なく殺害やむなしですが、クライアントよりここは散らかすなとの命令があるので捕縛し本部へ連行しま——」
(*゚ー゚)「ってありゃ、この服W社の整備要員? 何でこんなところで翼の職員がいるのさ……ますます謎だよ」
( ^ω^)「いろいろあるんだお」
('A`)「うん、いろいろ。いろいろなんだ。だから許してくださいませんか? 業務提携のよしみということで……」
(*゚ー゚)「……どうしよっかな。って言っても私の一存で決められることでもないんだけど」
(;^ω^)「ウサギコくん! 同じ鍋を囲う仲間としてここは一つ……」
(,,゚Д゚)「あー……残念ながら俺の一存で決められる話でもなくてだな……その……クライアント? に聞かなきゃいけなくって」
( ´_ゝ`)「じゃあそのクライアントっていうのと話させてよ。ただでさえ零細営業の店なんだ、店はともかく貴重なお客を殺されちゃたまらない」
87:名無しさん:2023/10/09(月) 01:41:59 ID:dlGOzwp20
『——わかったわかった、真正面からやるのは賢くないな』
( ´_ゝ`)「ああ、話のわかる人で助かっ……てない、気がするなあ」
(´<_` )「……こいつぁ、参ったな」
( ^ν^)『よう。言い分があるなら聞いてやろうか、裏路地兄弟』
88:名無しさん:2023/10/09(月) 01:42:20 ID:dlGOzwp20
( ^ν^)『で、だ』
( ´_ゝ`)「うん? ああ、うん」
( ^ν^)『いよいよ裏路地じゃ飽き足らず外郭でもやってこうってか?』
( ´_ゝ`)「んん、まあ……海の家とか、やりたいかなあって」
(#^ν^)『あのなあ、ここ私有地なの! 私・有・地! 立て札見えなかった!?』
( ´_ゝ`)「うーん、なんか整地の時に新しい感じの木をポキッと折った気がするなあ」
( ^ν^)『クソ、どいつもこいつもバカバカバカばっか!!』
89:名無しさん:2023/10/09(月) 01:42:50 ID:dlGOzwp20
(´<_` )「珍しく荒れてるな、過剰歯野郎」
(#^ν^)『R社のウサギは一匹逃げるし苦労して片付けたアブノーマリティどもは鍋にされるわ土地は妙な店にされるわでエージェントが怒らないって思ったの? ねえ? 社会経験が無いんだなお前ら? 殺すぞ?』
(´<_` )「おう、やるか?」
( ^ν^)『ごめんやっぱなし、死ぬからやだ』
(´<_` )「んなこと言うなよ。何のための義体だ? 死なない為だろ。一発ぐらいいいだろ」グリグリ
( ^ν^)『いててててすいませんでした』
( ´_ゝ`)「ところでこの辺のアブノーマリティ、なんかに使うつもりだったの? ほとんどみんなで食べちゃったんだけど」
90:名無しさん:2023/10/09(月) 01:43:18 ID:dlGOzwp20
( ^ν^)『L社の痕跡ってことで標本にでもして飾ろうかと思っ……』
( ^ν^)『ごめん何? 食べた?』
( ´_ゝ`)「うん、食べた。俺たちが料理して、そっちのウサギくんや昔のお客が食べてった」
( ^ν^)『お前……』
(^ν^ )……
( ^ν^)『もしかしてさあ、あそこで煮えてるでかい鍋って』
( ´_ゝ`)「残ったもの全部突っ込んだやつだよ。ニュッ君は食べないと思うけど見ていく?」
( ^ν^)『誰が見るかバカ、バカ兄弟!』
91:名無しさん:2023/10/09(月) 01:43:50 ID:dlGOzwp20
(*゚ー゚)「あー、こんなに美味しいもの食べてたのギコ? いいなーお仕事サボって支給食以外のグルメ三昧なんだぁ……」
(,,゚Д゚)「こんな得体の知れないモン食える訳……」
( ^ν^)『……で、そこにひっ捕らえたW社の連中は何だ』
( ´_ゝ`)「お客だよ、前々からの。本当はあのお鍋が最後の食材だから後で兄者と食材探しに行ってもらおうと思ってたんだ」
( ^ν^)『ふふん、はぁ……なるほど。言い訳が閃いてきた』
(´<_` )「もしかしてあれか、ここにギャラリーでも建てるつもりだったか?」
( ^ν^)『バカにしちゃご明察だな。押さえていた土地に勝手に店が開かれていたので~なんて上に報告できると思うか? あ?』
ギギギ(´<_`)つ< ^ν^;)『スイマセン! スイマセン!』
92:名無しさん:2023/10/09(月) 01:44:12 ID:dlGOzwp20
(´<_` )「まあ何だ、どっかの私有地と知らずに店を広げたのは悪かった。兄者がここが良いって聞かなかったからな」
( ´_ゝ`)「だってオーシャンビューだよ? ……ああ、そっちもオーシャンビューがよかったんだ。人工海とかじゃない本物の海なんて、こんなとこまでこなきゃ見られないし」
( ^ν^)『察しが良くて助かるな。つーことで日没までに撤収しやがれ。ゲテモノ喰いパーティーに使ったアブノーマリティの弁償は……まあ、そこのバカウサギとバカ弟が適当にやってくれりゃいいよ』
(´<_` )「……嫌だ、って言ったら?」
( ^ν^)『お前ら兄弟なかよく生きたまま結晶化装置に突っ込んで宝石にする』
( ´_ゝ`)「うーん、弟者は逃げ切れるけど俺が無理だな。しょうがないけど……弟者?」
(´<_` )「チッ……わーったよ、適当に化け物しばいてくればいいんだろ? 一晩で済ませる」
( ^ν^)『聞き分けの良いバカは嫌いじゃねーぞ』
(´<_` )『変態キモ歯野郎が』
93:名無しさん:2023/10/09(月) 01:44:50 ID:dlGOzwp20
('A`)「あのーぅ……」
( ^ν^)「あ?』
( ^ω^)「我々の処遇はどうなるのでしょうかお」
( ^ν^)『知るか。自分んとこの特異点でも使うか都市まで走って列車乗って帰れよ』
('A`)( ^ω^)(許された……)
( ^ν^)『その前にあの薄気味悪い鍋を片付けろよ』
('A`)「やったー」
( ^ω^)「食えずに帰るなんて後悔甚だしいお! ギャラリーの皆さんは優しいですおー」
('A`)「今度ご乗車の際は3課のドクオまでよろしくお願いします、特別にお値引きさせていただきますので……」
( ^ν^)(ちょろっ)
94:名無しさん:2023/10/09(月) 01:45:41 ID:dlGOzwp20
(,,゚Д゚)「……俺も手伝うよ、どうせクライアントの護衛はしぃさんで十分だと思うし」
( ^ν^)『おう、職務怠慢のクソガキは豚の餌でも食って這いつくばってな』
( ´_ゝ`)「……なあ弟者、ニュッ君ってあんな偉そうな子だっけ?」
(´<_` )「いけ好かない奴ではあったが、なんか偉そうで腹立つな」
(*゚ー゚)「ああ、あの人前にすごい蒐集趣味の人にとんでもない金額のアクセサリーを売りつけてウハウハらしいわよ。だから調子乗ってんじゃないかしら?」
( ´_ゝ`)「あー、うちの店ぶち壊した時に持ってきたやつかあ。なんか腹たってきたなあ」
(´<_` )「同感だ。おいウサギ、吐く時はアイツの靴狙え」
Σ(,,゚Д゚)「えっ!? 俺ぇ!?」
~かわいい!鍋~
95:名無しさん:2023/10/09(月) 01:46:13 ID:dlGOzwp20
( ^ω^)「これ、要するに昨日の残り物しっちゃかめっちゃか鍋って事かお?」
( ´_ゝ`)「いや。本当は仔犬丸ごと一匹の火鍋にしようと思ったんだが、昨日の残りも入れたら美味そうだったんで実質そうなっただけで本当は違うよ」
(,,゚Д゚)(一体何が違うというんだ……!)
('A`)ゴソゴソ……
( ^ω^)「ドクオー、お鍋の中突っつき回すのはお行儀悪いお」
('A`)「いや、骨だけ先にもらっちゃおうかなって……」
(^ω^ )「兄者ー、そういえばこれって『昨日の人たち』も入ってるのかお?」
( ´_ゝ`)b+「もち」
(*^ω^)「俄然お鍋が輝いて見えるお!」ムシャムシャムシャ
96:名無しさん:2023/10/09(月) 01:46:38 ID:dlGOzwp20
(,,゚Д゚)「ぐ……」
('A`)「……ウサギコさんは、無理しないで野菜とか蜂とか食べてて大丈夫だよ」
(,,゚Д゚)「分かっちゃいたけどまともな具材がねーな……」ワサワサ
(,,゚Д゚)「おっ、これネギか? これならいけるな」シャクシャク
( ´_ゝ`)「アルリウネの茎だよ。少し鮮度が落ちてるけど煮込んだら味が染み込んだね」
(´<_` )「蜘蛛糸がしらたきみてーになってやがる……」ズルズル
('A`)ノY「大腿骨ゲトー」
('A`)「うましうましうましうましぃ!!」ゴッゴッボリ
( ^ω^)「へへ……まるっと二人入りなんてゼータクだお、たまんねえお!」ムッチャクッチャ
97:名無しさん:2023/10/09(月) 01:47:07 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「うーん、ないなあワンちゃん……溶けちゃったかな」ワサワサ
(´<_` )「他の肉と混ざってるんじゃないか? これとか……ああ、人の手か」ポイッ
( ^ω^)「すかさずキャッチ!」チュルッ
('A`)+「骨のかけらも見逃さねえぞ」ポキン
(,,゚Д゚)「何探してるんすか? もう全体的にこう……赤くなってきたんすけど」
( ´_ゝ`)「え? だから子犬だよ、犬ならウサギくんも食べられるでしょ?」
(´<_` )「実際に犬かは知らんが限りなく子犬に近い可愛らしい姿をした化け物だ」
(,,゚Д゚)「こわい!」
98:名無しさん:2023/10/09(月) 01:47:30 ID:dlGOzwp20
('A`)「……そういえば、こっちをジリジリ睨んでおられるお偉方さんは、その、お召しにならないのでしょうか?」
( ´_ゝ`)「あーニュッ君? ニュッ君はアンプル摂取型の擬態だから物は食べないよ。あの口は喋りも食べもしない、歯を植え付けるだけの歯肉なんだ」
( ^ω^)「過剰歯ってそういうことかお、最近の蓮コラみてーなやつかお」
(´<_` )「しっかし、客に睨まれながら客と鍋をつつくなんてどういう因果だかね」
( ´_ゝ`)「なんかこういうのも悪くないかも……あっ! ワンちゃんあったよ! ウサギくんにあげようね」デローン
(,;,゚Д゚)「うわあ!!! 毛皮しかない!!!!!」
99:名無しさん:2023/10/09(月) 01:48:03 ID:dlGOzwp20
総評:色々入ってたけど美味しいものは美味しい(たぶん)
( ´_ゝ`)『人の肉は初めて食べた。あんまり違いはわかんなかったけど』
(´<_` )『可もなく不可もなし』
('A`)『人鍋はぜひレギュラーメニューにしてほしい』
( ^ω^)『上に同じく』
(,,゚Д゚)『子犬の顔が……こっちを見てた……』
100:名無しさん:2023/10/09(月) 01:48:49 ID:dlGOzwp20
( ^ν^)『おい、片付いたんならさっさと店仕舞いして帰れ。明日には工事の車両が入る』
('A`)「ちぇー……」
( ^ω^)「あっというまの夏休みだったおー」
(,,゚Д゚)「うっぷ……っていうか俺ら、本当に化け物狩りしなきゃいけないのか……」
(´<_` )「正直お前一人じゃじゃ無理だな。そこの女も手伝うなら別だが。そこの悪趣味ヤローもハナから俺にやらせる気だろ」
( ^ν^)『つべこべ言ってねえでてめえのやる事やんねえと硝子にしちまうぞ』
( ´_ゝ`)「うーんしょ。テントおっけー、包丁おっけー、まないた諸々もおっけー。鍋は……」
('A`)「あらえたよー」
( ^ω^)「帰る時は来た時よりも綺麗に、だお!」
( ^ν^)(余計なもんまで綺麗にしてくれやがって……)
101:名無しさん:2023/10/09(月) 01:49:50 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「ほい、鍋おっけー。……じゃ、弟者を置いて帰ればいいの? 俺は」
('A`)「帰れるの?」
( ^ω^)「おー……ブーン達は『時空裂き』を持ってきてるからW社まで帰れるけど、流石にあの狭いホールに兄者は連れていけないお」
( ´_ゝ`)「歩いて帰るにも帰る場所もないしなあ。……弟者を置いてくのもやだし、残ろっかな。ウサギくんもいるんでしょ」
(,,゚Д゚)「いるっすけど……」
(´<_` )「じゃあお前は、兄者のお守りとそこの義体野郎が妙なことしないか見張ってろ。アブノーマリティは俺が集めてくる」
(*゚ー゚)「ギコが私有地荒らしの味方なら、私が監視するから」
(,,゚Д゚)「勘弁してくださいっすよお……」
102:名無しさん:2023/10/09(月) 01:50:18 ID:dlGOzwp20
('A`)ヴゥン
('A`)「それじゃ、兄者と……弟者も! 昨日と今日はごちそうさま!」
( ^ω^)ブゥン
( ^ω^)「またお店ができたら連絡くれお、今度は奮発するおー!」
*チュピン
( ´_ゝ`)「まーたねー」
103:名無しさん:2023/10/09(月) 01:50:58 ID:dlGOzwp20
それから夜を徹し、外郭の浜辺は瞬く間にアブノーマリティの死骸で埋まった。
小さなアイスピックを暗闇に光らせる男と、瀕死のそれらが卵に戻らぬ程度にクリフォトを抑制するようにナイフを振るう男。
それから義体のポンプが浮かべるような青い光を見たと、掃除屋達の未開の言葉が夜の噂を囁き合っていた。
104:名無しさん:2023/10/09(月) 01:51:27 ID:dlGOzwp20
エピローグ
( ´_ゝ`)「たのもうっ。アルバイトとして雇って欲しいんだが……二人ほど?」
((゚∀゚∩「ええ~……」
(´<_` )「俺は警備員でこいつが従業員。元料理人だから腕は確かだ」
((゚∀゚∩「うちサンドイッチ屋さんだから料理のスキルなんかなくても平気だけどね」
105:名無しさん:2023/10/09(月) 01:51:49 ID:dlGOzwp20
( ´_ゝ`)「まあまあ、これからよろしくね」
((゚∀゚∩(勝手にエプロン着替えてる……!)
( ´_ゝ`)「いらっしゃいませー」
((゚∀゚∩(勝手に呼び込みしてる……!)
( ´_ゝ`)「でかでかメカカニサンドイッチでーす」
((゚∀゚;∩「ちょっと待ってね! 新メニューは流石に待ってね!」
( ´_ゝ`)「でもお……」
(´<_` )「……流石だよな、俺たち」
おしまい。